地積測量図から境界作図
地積測量図は、土地の面積や境界を明確にしたもので、建築計画等を行う際にこれを元に敷地形状を再現します。地積測量図はPDFや紙、既存の設計図書等から共有されます。これにはCAD化されたものが含まれるかもしれませんが、必ずしも正しいとは限らないため、その都度正確に再現することが望ましいです。敷地を再現する方法には主に座標求積表や三斜求積図があります。それぞれ異なったアプローチをとるので、覚えておくと良いでしょう。
座標求積表からは座標の入力が必要となります。座標は手入力やOCR等で認識しても良いです。さらに、点名の情報があると良いかもしれません。これは形状によっては方角自体が間違えてしまうことがあるからです。理由は測量系座標と数学系座標の相違があることに加え、業種によっては認知されていないことです。座標値についても誤認識や誤入力の可能性があります。
これらのことを踏まえ、NijiCADでは確実かつ手戻りのリスクを抑えた方法で作図できるツールを用意しています。また、距離や点入力、設定が行われるため、シームレスに図面制作に移行できます。
運用方法を見ていきましょう。
起動
まず、メニューのツールから地積測量図を選択します。
するとダイアログが表示され、サンプルとして点名とX、Y座標値が入っています。この入力エリアに座標求積表のデータを入れ込みます。作図ボタンで一手で作図されます。
座標入力
この入力にはExcel等の表計算ソフトを活用すると良いです。今回は手入力で行います。2~3分で入力が終わる程度です。項目が多い場合は画像認識等を活用し入力しても良いです。表計算ソフトを仲介することで、後工程でミスがあってもすぐに修正することができます。
今回は以下のサイトの下のほうにある地積測量図を元に入力してみます。
入力が終わったら、Ctrl+C → Ctrl+Vでダイアログに貼り付けます。
測量座標に変換するための設定がダイアログ左下「XとYを交換」にチェックがデフォルトで入っています。
(数学座標の場合はチェックを外します。)
作図実行
作図ボタンで作図します。
確認のポイントは面積です。正しく入力されていれば面積はすべての桁で合致します。合致しない場合は入力ミスがあるので必ず再確認します。
作図が完了しました。
面積を地積求積図と照合します。
続けて二つ目の地積を入力します。地番は初めの名称と変えて「地積2」としています。こうすると画層は別に作成されます。
作図します。
図面制作準備
正確に作図されていることが確認できたら、用紙枠を作図します。今回はA3で1:100の用紙で作図しました。方位は上側を北として適当に作図します。原点に用紙ごと移動します。
用紙枠が作成済みの場合は、MOVEまたはCOPYBASE→PASTE等で図面枠の中に移動します。
敷地を回転する場合は方位とセットで行います。今回は敷地奥の境界が水平になるようします。
そのほかに補助画層は非印刷設定にしたり線種尺度や印刷設定を行います。
まとめ
座標求積表から敷地境界を作成することは頻度はそれほど多くはありません。しかしながら、計画時にはこのような作業は必ず発生します。その場しのぎで作図を行うこともできなくはないですが、あらかじめツールは準備されていたほうが良いでしょう。NijiCADはブラウザから簡単に起動できるのでこのような部分的な作業にも適しています。作成した図はDXFとして書き出し再利用ができます。ぜひご活用ください。
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