文字図形

CADでは幾何学図形のほかに文字図形も重要な要素です。寸法や引き出し線、図面枠、面積表などの表組は図形と共に表現され、図面の意図を伝えるために重要な役割を果たしています。

CAD図面に適した文字は、読みやすく誤認識が起こらないものが適しています。また、表組等でサイズや数値を示すことがあるため、等幅のフォントが好まれます。これらの理由から、図面での文字には「MS Gothic」が使用されることが多いです。

しかしながら、NijiCADでは「MS Gothic」の採用は見送りました。NijiCADはブラウザをベースとしたCADアプリのため、Webフォントの中から選定を始めました。図面に適したフォントであること以外に、OSによる依存やPDFへの出力可否も考慮しました。その結果、「BIZ UDGothic」を既定のフォントと決めました。

BIZ UDGothicはモリサワが開発したフォントで、ユニバーサルデザインの理念に基づいて設計されています。このフォントは視認性と可読性を重視しており、特に教育やビジネス文書作成に適しています。そのため、図面内でも違和感なく使用できます。

文字挿入

それでは、実際に図面に記入してみましょう。コマンドはTEXTでダイアログが出るので、そのままOKを押します。既定の文字高さは5mmです。※実務で使用する図面は2.2~2.5mm程度にするとよいです。

適当な位置でクリックします。

挿入後に文字内容を変更する場合は文字をダブルクリックするかTEXTEDITで行います。

次に文字基点を変更してみます。NijiCADでは以下の図のように文字の基点を9か所としています。基点はプロパティパレットまたはALIGNMENTTEXT、JUSTIFYTEXTで変更できます。

文字を事前選択しプロパティパレットで中央にします。基点はそのままで文字が移動します。

文字の目的によって適切な基点を設定しておくよいです。例えば通り符号では中央、表や文章では左中央や左寄せといった具合です。文字の基点はオブジェクトスナップで取得可能なので、円の中心など図形の基点に合わせることができます。

またNijiCADの特徴として、オブジェクトスナップの「点」オプションを使用して文字の9か所の基点にスナップすることができます。

これにより意図しない挿入基点であっても容易な位置の調整を可能にします。

文字図形はPDFに印刷すると文字列として埋め込まれます。

文字図形は基礎的で応用範囲が広いため、将来新しい振る舞いの追加を予定しています。どうぞご期待ください。

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By NijiCAD開発者